月夜に
ガラッ
「ちぃーすっ!」
「噂をすれば・・・そこは雷冠の席だよ」
小声で言った水に固まる
最悪だ・・・
隣の席だといやでも喋らなきゃだめなときがいつか来る
「いつか潰す時が来るかもしんないから顔覚えといたら?」
そう言って雷冠が入ってきた扉の方を見た水城にならって私も目を向ける
「3人?」
そう聞きながらも顔を覚えるため凝視する私に水城が言う
「いつもは4人なんだけど・・・総長がいない」
「ふ~ん」
そう返しなるべく雷冠と関わりを持ちたくないから視線を外そうとしたときだった
「あれ?女の子が増えてる。うわ!すげぇ可愛い!」
近づいてくるあきらかにたらしの男にいやな気分になる
「ねぇねぇ、名前なんていうの?俺のこと知ってる?」
俺のこと知ってる?ってナルシかよ
と思いつつチラリと男に視線を向けてから言う
「うるさい喋りかけるな、たらし」
心底いやな気持ちになったから本音を言うと
たらしと後ろから来ていた雷冠の2人も唖然としている
水城は笑いを堪えてたけど・・・