月夜に
「痛い」
「なにが?」
ポツリと言った私の言葉に水城が顔を覗き込んできた
とさらに痛い
なにがって?
「視線が」
そう言って痛い視線の主に目を向けると
こっちを睨んでいる女子の軍団と雷冠の面々
どうしてこんな視線を向けられるのかわからず、眉間に皺を寄せると水城が言った
「月華ごめんね、面倒なことになるかも」
そう言って申し訳なさそうに微笑む水城
理由は…おそらくここでは言えないんだろう
瞬時に携帯を取り出しメールを打つ
『なんなのか知んないけど、今日の夜活動の時に教えろ』
しばらくして水城と風真、燈火の携帯が震えだし内容を見た3人はそれぞれ承諾の声をあげた
と、そんなやり取りが気に入らない様子の雷冠の面々
綾瀬睦月が近づいてきて何かを言おうとした瞬間
ガラッ
苛立たしげに扉を開く音
その音に教室が静まり返り扉の方を見る
その人物を見て月華は顔には出さないが嫌な気持ちになる
そんな月華に水城が言う
「あれが雷冠の総長だよ」ボソッ
そう聞いた月華は心の中で盛大に舌打ちをした
そして早口で言う
「水城、私朝あいつのこと殴った、でいまは顔合わすとマズイ気がするから寝る」