叶わない『大好き』
実季には、フラれた事を
話しただけだから‥
あたしが諦めついたのかと思って、
話してるんだと思う。
表向きは、諦めたってことに
してるけど‥
まだ‥
諦めきれてないんだよ?
それを知ってる英里香は、
あたしを一瞬見て遠慮がちに言った。
「靴箱で偶然一緒になっただけかもよ?」
すぐに実季が答えた。
「それはないって!!
一緒に来てんの見たもん♪」
そう‥なんだ。
「でも、付き合ってんのかは‥」
まだ英里香が言っている。
「だから‥」
嫌だ‥もう聞きたくないよ‥
キーンコーン‥
いいところでチャイムが鳴った。