叶わない『大好き』
「‥ん?」
あたしも振り向く。
「‥‥‥は?」
思わず声が出た。
だって‥‥――え?!
英里香が仕組んだ訳?!
少し遠くに見える、山上らしき人の背中と
―――あなたの姿。
あなたの姿を見間違える訳ない。
ずっとずっと見てきたもん。
「夏花、良かったじゃん♪
‥と、ごめん。私、帰るね!!」
何かあったら明日、報告してね〜
なんて去っていった莉子。
あたしは渋々歩き始めた。
何かあったら‥って、
あったら困るんだけど‥
マジで泣けると思う。
‥て、歩くの遅い!!
すぐに追いついちゃうよ‥