叶わない『大好き』


だから、美來ちゃんと碧ちゃんが
戻ってきても何にも話せなかった。

どうしたのって聞かれなくてよかった。
答えられなかっただろうし‥

新幹線から降りて、駅で解散。

「夏花‥バイバイ?」

「うん‥バイバイ。」

美來ちゃんは不安そうな顔だったけど‥
いつか話すから今日はゴメンね?
と心で呟いた。

何か、何人かに声をかけられた
気がするけど上の空だった。

「今日は‥雨なんだ‥」

バサッ

傘を開き、1人で家に向かって
歩き出した。


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