叶わない『大好き』
うわっ!!
声には出さず目をそらす。
だって‥あの人だったんだよ?!
ホントは叫びたいくらい。
こんな時に限って、誰も来ないし‥
水道を2つ挟んで、隣にいる。
‥ジャー
聞こえるのは、水の音だけ。
気まずすぎる‥
誰か変わってほしい!!
「おー‥陵〜」
やっと来たと思ったら、男子だし‥
「あ、豊記(トヨキ)か♪」
うわ‥その話題?
豊記っていうのは、有ちゃんの名字。
「‥違ぇし。」
何‥違くないくせに‥
早く、洗い終わってくれないかな?
「ラブラブですかー?」
あー‥もう、やめて‥
「はい、そういうのやめましょーね‥」
あの人はそう言って、
男子をどこかに追っ払った。