叶わない『大好き』
あたしは、2組の少し手前で
立ち止まってしまった。
2組の扉の前で、
サッカー部の人たちがたまってる。
あの人いるし、リュックだし‥
めっちゃカッコいい‥
じゃなくて、通れないよ!!
どうしようかな‥
右に行ったり、左に行ったり‥
迷ってると、
「おい‥」
――え‥?
その声はあの人のもので‥
通路の真ん中にいた友達を
引っ張ってくれたらしく、
道が開いていた。
通っていいんだよね?
何か言うべきかな‥
でも、あたしの為じゃなかったら
恥ずかしいし‥
少し迷った末に、
頭を下げたみたいに見えるように‥
うつ向いて通った。