叶わない『大好き』
美術を終えて、
教室に戻ったあたしは
宣言どおりなるべく外に出なかった。
そんな日に限って、あの人は
宇津野のところに遊びに来た。
あの人はいつもみたいに、
笑っていたけど‥
無理させてたら、どうしようって
思ってあの人がいる間は、
机に顔伏せて顔があげられなかった。
そして、やっと放課後。
今日は、早々と帰り支度を
済ませて真実ちゃんのところに行った。
「はぁ‥今になって、スゴい罪悪感。」
「ぇえ‥私のせい?!」
「ううん‥真実ちゃんとか
美來ちゃんに言ってなかったら
あの人に悪いとか思ってなかったかも
しれないから、いいかも。
本当に悪いことしたんだし‥」