叶わない『大好き』
「ヤバ‥っ」
あの人のクラスは、
そうもいかないみたい。
３組の辺りから、
確かにあの人の声が聞こえた。
「ちょっ‥宇津野!!
あーもういいや。」
多分、宇津野とじゃれてたんだろう。
サーッとあたしの横を駆けていった。
もういいやって何だろ‥
少し気になりつつも、
あたしも教室に入った。
「あー陵、行っちゃったよ。」
席に着くとそんな呟きが聞こえて
『陵』あの人の名前にドキッとした。
呟いたのは、さっきまであの人と
じゃれてた宇津野。
手に持っているのは上履き‥？
『長井』
チラッと見えた名前に
またドキッとした。
