叶わない『大好き』



「‥何なの?!」

軽くキレ気味に言うと、
宇津野の隣の
雛ちゃん――宇津野の彼女
が振り向いてしまった。

ヤバ‥大体絡んでると、軽く睨まれる。

怖いんだってー‥
宇津野、彼女が嫉妬してるから!!

そんなことを言えるはずもなく‥
何にも気づかない
宇津野は、笑っている。

「小倉って‥面白っ‥」

バカにしちゃってさー‥

「はい。」
また差し出されるプリント。

「‥‥」
もうひっかからないし‥

「‥いらないの?」

「‥置いて下さい。」

なるべく静かに。
まだ、視線感じるんだよ〜

「はいはい‥」

やっと、プリントを手に入れた。



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