叶わない『大好き』



真実ちゃんとの電話も終えて
涙も何とか止めたあたしは
中学校で上履きに履き替えていた。

あの人の下駄箱を確認してしまうのは癖。

上履きが置いてあるってことは、
もう結果報告したのかな‥
元々持って行ってないとか?

色んな考えを巡らせながら、
進路の先生が居る部屋に歩いていく。

「あ、夏花!」

「‥碧ちゃん。」

今は、会いたくなかったかも‥

「どうだった?!」

そう聞く碧ちゃんは、笑顔で‥
結果なんか聞かなくても分かった。

「‥それ、聞いちゃう?」

なるべく明るく言ったつもりだけど、
碧ちゃんに対する嫌味も詰まってたかも。

あたし‥最悪だね。



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