叶わない『大好き』
真実ちゃんとバイバイして、
小走りで教室に向かった。
「あ、」
あの人も走ってきた。
相変わらずギリギリだなぁ‥
あの人とすれ違えるように、
ちょっと遅く歩く。
「陵、おはよー!」
「おーって、掴むなよ!」
まぁ、結局3組の前でじゃれてるから、
意味ないんだけどね。
やっぱ、いつも通りすぎて、分かんなかった‥
「夏花、おはよ!」
美來ちゃんが声をかけてくれた。
美來ちゃんはトップレベルの公立を
受験して受かったって聞いた。
受験前は、絶対落ちるーって
泣きそうになってたのにね。
でも、別に美來ちゃんを恨んだりしない。
「おはよー」
ちゃんと、素直におめでとうって
言えそうだよ。