叶わない『大好き』
「彼女か‥」
家に帰ってから、誰もいない
部屋で呟いた。
「ハハ‥っ」
言ってたら、笑えてきた。
バカじゃん‥あたし。
噂だからって言ってたけど、
きっとホントだと思う。
ガセだったら、わざわざ莉子が
あたしに言うわけないし‥
「はぁーあ‥」
布団に寝っ転がって、目を瞑る。
浮かんでくるのは、
あなたとなみちゃん。
恋人ですか‥
つーっと涙が出た。
何で、泣いてんだろう‥
後から後から涙は流れる。
まだ、好きだったから‥?
ううん。『だった』じゃない。
‥――『好き』だよ。