タイトル未定
新選組の過去

沖田先生は夕陽を見つめながらゆっくりと語りだした

「山南さんがあんな風になったのは理由があるんです
わたしたち新選組は今でこそ近藤局長率いる新選組なのですが隊が結成された当時は近藤局長のほかにもう1人局長がいて近藤局長率いる今の幹部たちの試衛館一派ともう1人の局長、芹沢鴨率いる水戸一派があったんです
芹沢鴨という人は一隊をまとめて引っ張っていく才能は近藤局長より何倍もありました
でも性格に問題があったんです
毎日酒を飲み隊務はろくにこなさない
金がなくなると商家から無理矢理金をとりあげる
気にいらない人がいるとすぐに切り殺す
そんな芹沢さんを見かねた松平容保公がわたしたち試衛館一派に芹沢一派の粛清を命ぜられました
わたしたちはまず芹沢さんの右手とも言える新見さんに無理に理由をつけて切腹させそののちに残りの芹沢さん含めた一派を酒をのませ夜に襲い殺しました
松平公には秘密裏にと言われていたので土方さん、原田さん、山南さんとわたしでやりました
その時山南さんは初めて人を斬りました
よほど恐ろしかったのでしょう
その場で吐き気を訴え戦線離脱
それからなんです
山南さんがあんな風になったのは」
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