辛口男子の甘い言葉
「ふふ…フッフッフッ…」
普通に笑えたのもつかの間…広瀬の顔を見ていたら
「キモい。」
こういうやり取りがやりたくなる。
「へへ。」
仲直りが嬉しくて、自然と笑みが溢れる。
「……」
そして急に黙り込んだ広瀬が気になり横を向くと、やけに優しく微笑んだ顔をして私を見ていた。
私は思わずドキっとしてしまい、慌てる。
「えっ、あの…え?」
初めて見た表情の広瀬に、若干パニックな私は意味不明な発言を繰り返す。
「なにテンパってんだよ。はい。」
笑いながら私に何かが入った袋を渡してきた。
変わらない優しい表情にドキドキしながら、中身を確かめずに聞いた。
「何これ…?」
「ん?ゴミ。」
期待した私がバカだった。
そしてしばらくすると家につく。
「それじゃ。」
そう言って、家に入ろうとした時。
「お前さ…」
「え、なに?」
「……………、好きなのか?…焼きそばパン」
「はい?」
「だったらやるよ!これ!!じゃーなっ!」
好きだなんて言ってないのに、買っていたパンを私に押しつけて帰っていった。
…変な広瀬。