辛口男子の甘い言葉

「そっか…、奈絃ちゃんはなんでぼーっとしてたの?」


「えっ…それは…」



たまたま視界にタツル先生(イケメンの教育実習生)が通ったから気を取られてしまったのだ。



なんて答えようか言葉を選んでいるところに重たい声がのし掛かる。



「おい。」


でたな、広瀬朔(ヒロセサク)。



「おせーよ。制服貸せ。」


はいはい、渡せばいいんでしょ。


「綺麗に洗って差し上げました」


「あっそ」



私の手から制服をひったくり、すぐ背中を向けて離れていく。





…腹立つ。


あの頭にシャーペンねじ込んでやりたい。



「奈絃ちゃん?オーラが黒いけど…」


「ヒロ君もこんなの見慣れてるでしょ。」




後ろの2人のやり取りも毎度のことだ。



そう、私と広瀬のこのやり取りは日常茶飯事なのである。




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