辛口男子の甘い言葉
「てゆーか、期末だから夏休みに補習とかあったりするの?」
「いや、再テスト受けて合格なら夏休み遊べるよ。」
赤点師匠ヒロ君は淡々と言う。
そんな…!
何がなんでも受からないと!!
「奈絃!遊ぶ約束してるんだから、絶対合格しなよ!」
リッカは学年トップの成績を持ってるから、赤点なんて別世界の話なんだろう。
「うん。頑張るから…リッカ……数学教えて。」
「えー…」
「えっ!?何それ!?ここまで励ましといて、すごい嫌そうな顔なんですけど!?」
「奈絃の頭が理解できねーから嫌なんだろ。」
広瀬の茶々にすかさず反応。
「はん??」
「ヒロ、お前は俺が見てやるよ。」
広瀬は私からヒロ君に視線を移す。
偉そうに…ヒロ君可哀想だわ!
「ヒロ君!そんな偉そうな奴なんかに頼んない方がいいって。」
「え…でも朔は学年トップ10とかに入ったことあるよ?」
「「えっ!?」」
リッカと声が重なる。
「俺、お前らの心が一瞬で読み取れたわ。」
「アホそうな感…」
「言わんでいい。」
「はい。」
そして、話を戻す。
結局、リッカは何かと忙しいのは本当らしく、私に構う時間がそんなにないらしい。
ってことは、私には味方がいない!!
あと、頼れるのは…
「ひ…広瀬さん?」
「嫌。」
「待って、まだ何も言ってない。」
「嫌。」
「そこをなんとか…!!」