辛口男子の甘い言葉
「……」
「広瀬ぇ…」
「明日10時30分。」
「え?」
「勉強すんだろ?」
「うん!」
やっぱ広瀬、いいやつだ。
結局、3人で勉強することになった。
「で、どこで勉強するの?」
「あ?ヒロん家」
「俺ん家!?」
…こうして明日土曜日にヒロ君の家にお邪魔することになりました。
「ね、眠い…」
只今10時20分。
私は重たい足取りでヒロ君宅に向かう。
昨日の夜、よく考えたら男子の家に行くのって初めてで、緊張してしまった。
広瀬もいるんだし…。
意外にヒロ君の家は近く、家から10分弱で着いた。
えっと…マンションの503号室だっけ。
たどたどしい動きを繰り返し、やっとエレベーターのボタンを押すところまで来る。
「奈絃、動き怪しすぎ。」
突然後ろから声がした。
「うわっ!広瀬?」
広瀬は爆笑しながら私の横に並び、エレベーターに乗り込む。