辛口男子の甘い言葉
乗り込んで、異変に気づいた。
「広瀬……私に何か付いてますか?」
さっきからじーっと見られている。
「……。」
「あのー…、広瀬さん?」
「お前今日はいつもと違くない?」
「へ?」
「なんか違う気がする。ま、いいか。」
このとき、私の心臓はバックンバックン鳴ってました。
それはもう、嬉しくて。
昨日の夜から時間かけて選んだ服だったし、髪の毛だって、朝からお手入れしまくりだった。
とにかく頑張ったのだ。
「ふへへ…」
「キモッ。」
「うっさい。」
ついつい横目で睨んでしまう。
そうこうしてるうちに、5階についた。
「いらっしゃい。」
インターホンを押すと、ヒロ君のお母さんが出てきてくれた。
「おばさん久しぶり。」
「朔君久しぶりねぇ。またカッコよくなったんじゃない?」
「いや、別にそんなことないですよ。」
……。
私の前と態度が違いすぎる…!!
「あら、もしかして奈絃ちゃん?」
急にヒロ君のママは私の方を向く。