辛口男子の甘い言葉
予想外
「ありがとうございましたー。」
「っしたー。」
「広瀬!ちゃんと挨拶くらい言う!!」
「っせぇーな、指図すんな。」
「はいはい、仕事してね」
店長の言葉にお互い口を止める。
そしてバイトが終わった後、広瀬と2人で帰る。
「あのさぁ。」
「何?」
「何でそんなつまんなそーなんだよ、最近。」
「はっ!?どこが!?」
「学校でいる時とか、あんま喋んねーし。」
「そ、それは…」
タオルを渡せなかった一件。
あれで私は自分の気持ちを再認識してしまった。
広瀬と2人なら大丈夫なんだが、周りに誰かがいると、自分の気持ちが広瀬以外の誰かに先にバレそうで緊張するのだ。
が返ってそれも広瀬に心配をかけていたらしい。
さっきから私の顔を確認しながら、優しい声で聞いてくる。
「な、夏休み近いのに、あんま遊ぶ予定を立ててないから…」
苦し紛れで罪悪感たっぷりに嘘を言った。
「ふーん。」
相槌もなかなかに適当だな。
と、思いつつ歩いていると、
ふと思いもよらぬ言葉が返ってきた。