辛口男子の甘い言葉
「克服出来たんだー!ほんとおめでとう!!俺、自分の事の様に嬉しいよ!!」
「ばっ!声がでけぇーよ!!」
「ぶっ!」
ああっ、ヒロ君思いっきり広瀬のかけた水かぶった…。
広瀬も手加減ないな…。
そこにリッカも戻ってきた。
「克服って、何を?」
「なんでもねーって。俺、ちょっと休憩!」
少し恥ずかしそうにしながら出ていく広瀬を3人で追いかけ、その後も仲良く過ごしたのだった。
─…
もう日が暮れ、空はオレンジから紺の空へと変わり始めていた。
さっきまで4人でいたのだが、帰り道でヒロ君もリッカも別れて、今、広瀬と2人。
なんとなく雑談をしながら、考えていた。
広瀬からの突然のプレゼント。
何でくれたのかは謎だけど、好意があってプレゼントしてくれたのは確かだよね…。
それが友達としてなのか、それとも…
い、いやいや
「いやいやいやいや…」
そんな訳ないわな…。
「急に何……キモい…」
…はい、今の心のウキウキを返してください。
私もこの勢いでこの前渡せなかった物も渡せる気がする。
なんで今日持ってこなかったんだろ…私もバカだ。
でも、これはもう一度渡せるチャンスだよね。
「頑張ろう…!」
「はいはーい、どーぞ自分の世界の中で頑張って下さいねー。しばらく返ってこなくていーよー。」
…やっぱ、腹立つ。
そんなこんなで、
広瀬が私に見せた予想外な一面&予想外のプレゼントに、幸せに浸る1日となった。