辛口男子の甘い言葉
「何しに来やがった…」
すぐ耳もとで広瀬の声がしたことから、今私の目を塞いでいるのが広瀬だと理解した。
「ナニって…会いにきたんだヨ。」
どこか鈍っている日本語をペラペラと話す外人。
広瀬の知り合い?
と、気になったが。
広瀬の雰囲気がとてつもなく怖かったので、私は大人しくした。
「お前が俺に会いに来るなんざ、どーせあいつがらみだろ?」
「そうだとシたら?」
「帰れよ。」
「…無理。」
「はっ!?」
「てゆーかさ、そのコ、もしかして…」
「え?え?何…」
いきなり私の話をされた気がして、私の目を押さえている広瀬に聞いた。
「こっち来んな!」
「まーまー、そう言わズに………エイッ!」
「は?ちょ、何すん…」
いきなりパッと視界が開ける。
「ンー!やっぱり、キミかわうぃーネ!」
どーん…と外人の顔が目の前に現れたせいで、私は放心してしまう。
どっかでよく聞く台詞だな…。
ぐいっ!!
すると突然、広瀬が私の手を引いて走り出した。