辛口男子の甘い言葉
放課後になり、なぜか私は広瀬に怒られるのを承知で後を追った。
時間は夕方午後5時。
バイト先のパン屋を道の一角から見つめる。
広瀬はいつも通りバイト中で、何ら変わりなかった。
諦めた私は家に帰ったのだか、夕食を作る時間になり、お母さんに牛乳を切らしたと言われ、コンビニに行く破目になった。
1人夜道を歩く中、前にストーカーに襲われそうになった時をふと思い出す。
少し怖くなったが、急に広瀬の顔が浮かんだ。
あの時、1人で夜にフラつくなって広瀬に怒られたなぁ。
…広瀬、まだいるかな。
私は気になって仕方なかったから、コンビニに寄るついでに見に行こうと、バイト先に足を向けた。
「絶対何か私に隠してるよ…」
そっと店を遠目に窺うと…
「あっ…!!」
この前会った外国人と何やらもめていた。
遠すぎて話声までは聞こえない。
しばらく見ていると、外国人に紙を突き付けて荒々しく帰っていく広瀬が見えた。
広瀬が行っちゃう…!
慌てて広瀬を追いかけようと足を動かした時、
ジャリ…
小さな音に反応した外国人がこっちに振り向き、バッチリ目があった。
うお!!やばっ!!!