辛口男子の甘い言葉
「出来れば違うパンが食べたかったんだけど。」
笑いながら言った、
その時だった。
「瀬戸内さん、よかったら俺のパンと交換しようか?」
同じクラスの男子がメロンパンを差し出してきた。
「えっ、いいの?ありがとう!!」
私はせっかくの好意だし、ありがたく交換してもらうことに。
「……奈絃ちゃん。」
後ろから静かにヒロ君の声がした。
「何?」
私が振り向くと…
ヒロ君の隣にいたはずの広瀬がいない。
「あれ?広瀬、どっかいったの?」
「ご機嫌ななめになってました。」
「え?それって私のせいじゃないよね?」
何もした覚えないし。
「さぁ…俺にもよく分かんなくて。」
ヒロ君がわかんないのに私が分かるわけないよ。
もうあいつが自己解決するまで待ってよう。