いじめ。‐あの橋を超えたら‐
第1章
いつもの始まり
「…で,ここにxがあり…」
1年の,1学期,5月。
数学なんて聞いていられない5時間目。
「…ちっ」
変な夢見た…。
いじめ?
自殺?
…私には縁なしの夢…
「順菜,舌打ちとか怖いよ?」
後ろの席の砂川麻里(スナカワマリ)が話しかけてきたことで,我に返る。
「うっさいなっ。盗み聞きとか趣味悪」
「順菜が聞こえる声で話してたんじゃん,ね,茜」
私…粉原順菜(コナハラジュンナ)は茜に笑われる。
「そうそう。みんな聞こえてんじゃね?」
…もう最悪。