またいつか
十字架
彼と一緒にいるのは楽しく、自然と会う回数も増えていった。
「あら、今日もお出掛け?」
「あ……うん。まあ……」
「そう。気を付けて行ってらっしゃい」
「うん!」
もちろん両親には内緒だ。
「トゥーニャ、最近綺麗になったなぁ」
「またまた~。見え透いたお世辞はダメだよ」
「お世辞じゃないよ!本当だもん!!」
「……ありがと」
彼はキリスト教。
私はイスラム教。
宗教対立が起こっていると噂される世の中で、私は彼に惹かれていった。