またいつか
ある晴れた日。
私は彼に呼び出された。
「これ、受け取ってくれない?」
「何これ?」
黒い小さな箱を渡された。
箱を開けると十字架のネックレスが出てきた。
何も言わずにカルロスを見ると、彼は頭を掻きながら困った様に笑った。
「本当はトゥーニャにあげていいかどうか迷ったんだけど……やっぱ渡しとくね」
「え?何で?」
「『これはお前が大きくなったときに、大切に思ってる人に渡すよーに!』って小さい頃言われたんだ」
「もしかして……形見とか?」
「そういうワケじゃないよ」