百人殺せば英雄です
快活に喋るのは上半身だけの骸骨だった。大きな手で、首だけの女を地面に擦り付けている。
「やめなさい!」
依子がすぐさま出たのは当たり前だった。
「あぁ、よりちゃん……!」
「んだぁ?人間が何のようだよ」
歓迎と歓迎されない空気が交わる。
首女こと闇首は、骸骨が依子に気をとられて内にするりと抜けた。
「大丈夫?闇首さんっ」
「助けに来てくれたんだねぇ……」
「もう大丈夫だから、逃げて!」
依子の強さを承知の上か、闇首はすぐにその場を後にした。