百人殺せば英雄です
「あー、つうか、おめえ巫女か。かーっ、だから調子こいてんのか!ヒィハハ、思い上がるのもいい加減にしとけよ、ええ?俺がてめえ、ごときに――って、どわ!」
放たれた葉月(火)が骸骨のあばらをかすめた。
ちりっと焦げたあばらを押さえながら、溝出は悪態をつく。
「うぜえぇっ。ちょーうぜー。稀に見るうざさだぜ。人間、しかも小娘の分際で暦の術使うのかよ!ヒィハハ、あれ、俺、ピンチ?」
「分かったんなら大人しく来なさい。神社まで行って、いじめた妖怪たちに謝るのよ」