お嬢様、家出しちゃいます!
「如月!あなた、どこへ行っていたの?」
「申し訳ございません、お嬢様。コレを準備するのに少々手間取りまして・・」
と言うと、如月はリリアにリュックを手渡した。
「どうせ奥様のことです。抱えきれない程の荷を詰めてらっしゃると思いまして。いかがです?」
「えぇ!まきちゃんのかばんも、丁度こんな風でしたわ!」
そう言うと、リリアはリュックを背負い、くるくると回った。
「でも、ソリリア?本当にこれだけで大丈夫?」
ソフィアには当然家で経験などないため、何を持たせればいいのか悩んでいた。
多すぎるとは分かっていても、もしも、を考えるとついつい余分に持たせてしまっていた。
「ご安心を、奥様。自分と旦那様が全てを考慮し、厳選したものです」
如月は、有無を言わせぬ、執事スマイルでソフィアを安心させるように微笑みかけた。
「では、お嬢様。もうお休みの時間はとっくに過ぎていますよ。家出は明朝になさって、今日はゆっくりお眠りください」
本当は、今すぐにでも飛び出したかったリリアだが、疲れていたのも事実なので、今回は如月に素直に従うことにした。
「分かりましたわ。では、お休みなさい、お母様、如月」
「しっかりお眠りなさい、リリア」
「良い夢を」
こうして、リリア家出大作戦の準備は完了した。
ベッドに潜り込んだりリアは、興奮でしばらく眠ることができなかった。