お嬢様、家出しちゃいます!
辺りにぐっと重い空気が流れた。
全てのモノが、リリアを名残惜しんでいるようだった。
「じゃあ、行ってきます!!」
リリアは勢いよく顔を上げ、笑顔で言い放った。
「「「行ってらっしゃい!」」ませ」
とんっ
リリアの足はくるっと向きを変え、第一歩を踏みしめた。
やがて、もう1歩、もう2歩と踏みしめ、ゆっくりと噛み締めるように歩を進めていった。
リリアの姿が見えなくなった後、辺りでは暫く、浩太郎とソフィアの鳴き声が響きわたった。