お嬢様、家出しちゃいます!
そこは、お酒とタバコの臭いが充満していた。
(ここは何なのでしょう。カジノかしら?)
2年程前に父の仕事でラスベガスに行ったときに、リリアは入りはしなかったが周りだけ見た。
その光景にはだいぶ劣るが、この感じは少しラスベガスのカジノに似ていた。
ドスっ
「きゃっ!」
前を見ないでキョロキョロしていたため、人にぶつかってしまった。
「ってぇな!このやろう、どこ見て歩いてる?!」
酒の臭いがプンプンした中年のサラリーマンが大声で怒鳴ってきた。
「も、申し訳ございません!」
こんな大声で怒鳴られたのは生まれて初めてだったため、リリアは泣き出しそうになったが、とりあえずグっと我慢して誤った。
「んぁ?よく見たらお嬢ちゃん、可愛い顔してんじゃねぇか。こんなとこで1人でなぁにしてんだぃ?」
酔っぱらい男はリリアを舐めるようにジロジロと見て、鼻の下を伸ばした。