お嬢様、家出しちゃいます!
「その手には乗りません。さぁ、ベッドへお戻りください。」
さすが、リリアが赤ん坊の頃から世話をしているだけある。
こんな子供騙し、如月には通用しなかった・・・
と言いたいところだが、若干鼻の下が伸びている。
「如月の分からず屋!ちょっとくらいなら許してくださいな!!」
リリアは、頬をぷくっと膨らまし、パジャマの裾を握った。
高2のリリアだが、母親に似て背が低く、童顔のため、
怒っても威圧感が全く出ない。
逆に、可愛いとさえ感じてしまう。
お互いに一歩も譲らず、時間だけが過ぎていった。