お嬢様、家出しちゃいます!
しばらく歩き、時折小さな脇道にそれつつ、2人は1件のホテルにたどり着いた。
なにやら、入口が妙にピンクなのが気がかりだが、せっかく連れてきてくれたのだから、何も言わなかった。
「そ、それで、君は一体イクラなんだい?」
酔っぱらいは突然コソコソとリリアに耳打ち打ちをしてきた。
「へ?いくら・・とは?」
「最近、シャワーを浴びてる途中に金だけ盗まれることがあるらしいからね。先に聞いておこうと思って」
「あの、申し訳ないのですが、お支払いできるお金は、一銭もないのですが」
リリアは申し訳なさげに下を向いた。
「違う違う!だからぁ~、君はいくらで抱かせてくれるのかって話だよ!」
・・・・・
リリアは一瞬フリーズした。
(確か、これは学校の講習で習ったものだわ!)
「まさか、買しっ!」
最後の言葉は、男の手によって塞がれてしまった。
「おいおいおい!それ以上言っちゃだめでしょぉ~。さ、とりあえず中入ろっか」
そういうこととは知らずに付いてきたと分かると、男は強引にリリアを連れ込もうとした。