お嬢様、家出しちゃいます!
如月は、思わず腰を抜かしてしまった。
「な、何をおっしゃっているのです!?家出?冗談ですよね?」
如月は、あまりの衝撃で変な汗が体中から吹き出てくるのを感じた。
いつも突拍子もないことを言っては皆を困らせるリリアだが、
大概は言うだけで終わってしまう。
だが、今回のリリアは真剣そのものだった。
リリアの父によく似た、頂点に立つものが持つ、誰をも圧倒する眼差しであった。
「如月?今回はあたくし、本気の本気ですから。」
これは、私では説得は難しいな。
そう確信した如月は、最後の手である、浩太郎に助けを求めることにした。