お嬢様、家出しちゃいます!
お嬢様、転校生になる
「んっ……」
リリアはカーテンの隙間から降り注ぐ朝日で目を覚ました。
「そうか、夢ではなかったのですね」
目が覚めると同時に自分の今の状況を理解する。
昨日は本当に良い意味でも悪い意味でも夢のような1日だった。
「とりあえず、居間に行ったほうが良いかしら?」
そう言いながら布団から抜け出そうとしていると、
トントン
「……起きたか?」
ドアをノックした後に遠慮がちな声が聞こえた。
リリアの記憶が正しければ、昨日自分を助けてくれた男の声だ。
「ははははいぃぃ!!」
心の準備など出来ているわけもなく、リリアの声は当然のことながら裏返った。
「下、来い。飯できた」
男はそれだけ言うと、下に降りていった。