お嬢様、家出しちゃいます!
「こんな夜中に何を騒いでいるの??」
浩太郎の石化と共に、リリアの母、ソフィアが
サラサラのブロンドをなびかせて入ってきた。
ソフィアはフランスの由緒ある貴族のお嬢様で、
浩太朗が出張でフランスに訪れた際、
偶然出会い、お互いに一目惚れで結婚したのだ。
そのため、リリアは髪はブロンドだが、目は真っ黒なのだ。
「お母様!起きてらしたのですか?」
この時間、ソフィアは大抵深い夢の中のため、リリアは驚いた。
「あなたたちの声で起きたのよ」
ソフィアと浩太郎の寝室は書斎の丁度向かいに位置しており、
大声を出せばすぐに聞こえてしまうのだ。