お嬢様、家出しちゃいます!
「これは奥様。配慮が行き届かず、申し訳ございません。」
如月は、恭しくお辞儀をした。
優雅に謝罪する如月だが、内心ではテンパっていた。
なぜなら、この子にしてこの親。
リリアの突拍子もない言動は母親譲りなのである。
(もし、奥様まで興味を示されたら厄介ですね・・・)
如月の心配も知らず、ソフィアはリリアに話しかける。
「こんな夜中に書斎を訪れるなんて、リリア、あなた一体どうしたのです?」
「うっ・・・・」
浩太郎にはズバッと言えたリリアだが、相手がソフィアならば話しは別である。