落ちない日常

「俺は女が捜一なんて絶対認めないからな」

そう言い切った冴島さんは、もっと厳つい顔になって立ち上がり、私を見下ろした。


「甘い考えでここにきたなら、帰れよ」

「っ、」

怒鳴るわけでもないその怒り方は、怖い。


だけど、

「私はそんな生半可な気持ちで志願したわけじゃないです」

言い返すと、冴島さんは一瞬吃驚したように顔を固めたが、
すぐに「どうだか」とそっぽを向いて座った。


「すごいな、冴島が大人しいぞ」

「すごいっすね、黙った」

「うっせぇ!」

コソコソはなす仁科先輩、瀬川さんに罵声を浴びせて、
また私に向き直り、指をさされた。

「俺の指導は厳しいからな!ついて来れなかったらやめろよ!」

「望むところです!」


熱血部活漫画みたいな展開で、
一日目スタート。
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