君桜
――キラっ
まぶしい…
光が視界に入ってきた。
夢がだんだんと遠くなっていくのを感じる。
現実に、引き戻される。
「……あ…」
真っ先に視界に入ってきたのは、白い天井だった。
真っ先に感じたのは、あたしが寝かされているベッドの硬さだった。
真っ先に思ったのは、ここはどこだということだった。
自分の腕は点滴につながれている。
点滴、って事は…病…院…?
嘘、なんで…
何であたし………、
「葉奈?」
…ハッとして、視界を声のしたほうに動かすと。
ああ、やっぱり。
何故だかあたし、急に安心しちゃったよ……、学さん。
「良かった。目ェ、覚めたな」
学さんの大きくて温かい手があたしの額に触れる。
その隙間から見えた学さんの表情が、優しくて、心強くて。