君桜



「…コホッ」




喉に何かが突っかかったみたいな感覚がして、呼吸がしづらい。



足は痛いし。



小石とかが刺さっても、誰かに足を踏まれても止まらなかったんだから当然だけど。



よく見れば、血がにじみ出ていて。



…血と言えば。



口の中が切れているんだっけ?



確かに…まぁ…。



ひりひりするし、しゃべりにくいし、血の味するし。






「君、一人~?」







あたしの横に誰かが座った。



変な香りをチラつかせる、変な男。



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