君桜
あたしの過去は、それだけで
あたしの過去は、そんなもんで
誰かに教えるために、生きてきたわけじゃないのに
誰かに知られるほどの、過ちを犯してしまった。
あたしたち家族は、あの日から終わったままで
きっと今もなお、誰かの心にひっそりとその存在を示している。
愛情を忘れたまま育った、一人の少女は
それから、幾度となく身体も心も傷つけられたわけですが
今だってその苦しみは消えていないと言えるでしょう。
苦しみは、消えない。