君桜
✿Secret
「ハッハッハッ…」
身体が重い、瞼が重い。
今にも、倒れてしまいそう――……
「……が、くさん……」
‘‘あるところ’’に向かっているあたしの足は、今にも崩れ落ちそうで。
行きたくないのに、行かなければいけない。
あたしの足取りは、とてつもなく重い。
…見えた…。
――SAKURAGI――
二度と来たくなかった、我が家。
…アイツがいたら、どうしよう…
どうしよう
どうしよう
どうしよう……。
頭の中にグルグルグルグル…
「…あたしを、助けてね…学さん……」
口から無意識に出た言葉にあたし自身も驚いた、けど。
本心だから…学さん。
ドアノブに、手を掛けた。
――ぎぃ…
カギは開いている。
でも、人がいる気配は全くない。
…アイツは、いない?