君桜



――ふわ…


学さんの大きな手があたしの目を覆う。


…温かい…。


って!何で目を覆われてるの…?


「ちょっと待っててな…」


静かに低い声でそう言った学さん。


コクン、と首を縦に振ることしかできなかった。


ガチャリ。ドアノブを回す。


あれ…?学さんカギ開けてないよね?


どうして玄関開いてるの?


…怖い。




――バタ…ン…




静かにしまった玄関。


取り残された、外。





< 174 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop