君桜




「…何で裸足なんだ?何で帰らない?」



「……慌てて靴を履いてくるの忘れただけ…帰らないのは…、もうちょっとだけ遊んでいたいから………」



――シュポッ



隣でジッポの音がする。



「…遊んでいたい?」




急に低くなった彼の声。



「お前、ここはあぶねぇだろうが。見てて分からねぇのか?」



説教?



まさかのこのタイミングで…?



「…送ってやるから、帰るぞ」



その言葉であたしの体は固まった。






帰れば、殺される。


かえれば、ころされる。


―――――カエレバ、コロサレル。



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