君桜


「殺される、逃げなきゃ…ッ!」



アイツが迫ってくる。



きっとまだ、あたしには気づいていない。


それでも、あたしの名前を叫びながらこっちに近づいてきている。





「…逃げなきゃ…ッ!」



お願い、逃げたいの。


だから、離して。



説教なら、今度あったとき…聞くから…。



お願い…。






――ガバッ



「…!?」



突然その人があたしに抱きついてきた。



周りの景色が遮断される。



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