君桜
「が、く…さん!」
び、びっくりしたぁ!!
心臓がバクバクいってるよ!
それは、
どういう名の
鼓動かは、
分からないけど。
「…ハァ~…。何を考えてるのか、知らないけど…」
学さんの吐息が首筋に当たって、くすぐったい。
大きな掌があたしの頭を撫でる。
「……見惚れてたんだよ」
「…へ?」
「……」
「学さん?」
今、なんて―――――?
気のせいかもしれないけど…、気のせいだけど。
学さん、少しだけ頬が赤いような…。