君桜
✿Heat
学さんと出会ってちょうど一週間が過ぎた。
相変わらず、アイツの陰に怯えているあたしだけど、学さんがいるから安心できる。
もうすぐ、夏休みが、終わる。
学校には、行くべきか行かざるべきか。
家にかけてある制服が、寂しそうにつるされているのを思い出した。
それでもあたしは、あの制服を、着ることができるのだろうか。
「葉奈、お前学校はいつからだ?」
…。
学さん、空気を読んでください。
あたしは今、超シリアスな気分なんですよ。
なのに、そんな真顔で聞いてこないでください。
クーラーのきいた涼しい部屋。
学さんはあたしのために部屋を作ってくれた。
今まで使っていなかった部屋だけあって、埃をかぶってはいたけど、掃除をしたらめちゃくちゃ綺麗になった。
綺麗なヒノキの本棚。
同じく、ベッド。
そして白い綺麗な机。
カーテンは学さんと一緒に買いに行った。
おかげで今までなかった部屋を貰えてうれしかった。
学さんも「綺麗になったなァ」って感心してた。
それが、とてもうれしかった。