君桜
「大丈夫だって。俺もそこ、卒業してるし」
……
「え!?」
「そんなに驚くなよ」
ハハっと優しい笑顔で笑って、あたしの手を引っ張った。
「!」
学さんの膝の上に座らされた。
恥ずかしい…
「がががが、学さん!」
カァァァっと顔から熱くなっていくのが分かる。
「お前、熱いぞ」
だ、誰のせいですかァ!
ああ、もう…目眩までしてきた。
――~♪
「あ?誰だよ」
不機嫌ですねぇ?
どうしたんですか?
「学さん、電話、出ないの?」
さっきからずっとなってるのに。
学さんは一向に電話に出ようとしない。
「…優だもんなぁ…、どうせくだらない話だろ…」
心底面倒くさそうに携帯に出ようかどうか迷っているみたいだ。