君桜



「学さん出なよ。意外と真面目な話かもしれないし…」


ああ、ごめんなさい!


意外と、は余計でした!


「ああ…」


渋々電話に手を掛けた。


「優?…は?……んでだよ、訳分かんねぇ…」


学さん?


キョトンとして学さんを見上げる。


と言っても、学さんの膝の上に座らせれていて、学さんは後ろでしゃべっているから振り向く形になっているわけだけど。


そんなあたしに気付いた学さん。


少しだけ優しく笑って、あたしの頭をクシャっと撫でる。


そんな仕草に、ドキッと…


…ドキ?


何で、ドキッと?


……。


腑に落ちない顔で優さんとしゃべっている学さん。


何を話しているんだろう?


電話越しに少しだけ優さんの声が漏れているけど、いつ聞いても元気な声~…。


ある意味、尊敬しちゃいます(笑)


ハァ。


何か、頭がズキズキ。


やめよ。


深く考えるのは性に合ってない!!


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